新技術への大きな期待 6
1977年当時、このような変異株は発見されていなかったので、ジェネンテック社は別の方法でこの障壁を乗り越えました。
彼らは、合成したソマトスタチン遺伝子を㎏遺伝子群に含まれているZ遺伝子の端部に連結したのです。
この組換えが施された新たな大腸菌において、ソマトスタチンの遺伝子は、Z遺伝子の末端部分として読み取られたのです。
その結果、大腸菌はこの遺伝子からZ遺伝子タンパク質にソマトスタチンタンパク質のアミノ酸がつながったタンパク質をつくり出しました。
大腸菌は、正常な大腸菌タンパク質と異質タンパク質が「合体」したこの生産物を正常な細胞成分と認識し、分解しなかったのです。
この手法には、さらに利点がありました。
というのは、大腸菌がこのタンパク質を自発的に液体培地中に分泌したのです。
これは、産生したタンパク質にシグナル・ペプチドがついているからです。
ジェネンテック社は、大腸菌の細胞を破壊して、他の大腸菌のタンパク質をごちゃ混ぜにすることなく、「合体」タンパク質を得ることができました。
次に1回の化学操作を行い、「合体」タンパク質からソマトスタチン部分を切り離し、目的のホルモンが得られました。
ソマトスタチンは前触れにすぎなかったのです。