新技術への大きな期待 4
科学者と投資家の間に期待が高まっていきました。
新しい時代が幕を開けたのです。
ジェネンテック社は、この抗しがたい熱狂の波に乗ったにすぎません。
ジェネンテック社は、まさしく前の数章で見てきたような形で、こういった遺伝子操作を進めていき、さらに2、3の技術上の新たな成果ももたらしました。
ソマトスタチンは、ヒトの成長速度の調節に関与する短いペプチド鎖のホルモンです。
ソマトスタチンは、脳細胞内に存在するもっと大きなタンパク質が切断されてできるもので、この物質自体の遺伝子はありません。
そこで、板倉啓壱率いるジェネンテック社の研究チームは、その遺伝子DNAを化学的に合成することにしました。
すなわち、塩基を結合して2重らせん構造の形成に必要な2本のDNA鎖をつくりあげたのです。
次に彼らは、大腸菌が合成DNAを利用して確実にタンパク質をつくるように、この二重らせん鎖をLac遺伝子由来のプロモーターに連結しました。
こうすれば、確かに、この合成DNAは大腸菌に利用されることになり、タンパク質を生み出すでしょう。